パッカー車はゴミの収集をしてくれる車です。
一般的にはゴミ収集車と言われていますし、知られています。
パッカー車は一般のゴミの収集はもちろんのこと、公園や庭をきれいにする造園業や建設業の現場でも多く利用されています。
今回はパッカー車についての解説と、パッカー車を運転するのに必要な免許についてご紹介します。
パッカー車って知ってる!?パッカー車の仕組みや必要な免許をご紹介
2024.1.26
パッカー車は正式名称ではない
パッカー車は家庭や様々な現場から出るゴミを圧縮して排出する仕組みが備わっている特殊車両のことです。
パッカー車の後ろにある投入口にゴミを入れて圧縮し、ボックスにゴミを収めます。
圧縮されてボックスに収められたゴミを外に排除するのがパッカー車の役割になります。
通常のトラックなどにゴミを積むのではなく圧縮することで、実に車のサイズよりも多くのゴミを運ぶことができます。
日本国内では「パッカー車≒ゴミ収集車」として認識していることが多いですが、実際にパッカー車を販売している販売店ではパッカー車ではなく「パッカー」と表記されて売られています。
実は、パッカー車の正式な名前は「塵芥車(じんかいしゃ)」と呼ぶそうです。
そのため、車検証には「塵芥車」と記載されています。
パッカー車という呼び名は、英語で「詰め込む」という意味のpackが由来となっていると言われています。パッカー車の動きかつ用途を表現したものです。
パッカー車の仕組み
パッカー車はゴミを詰め込む(圧縮する)とゴミを出す(排出する)で性能ごとに形式構造が分かれています。
ゴミの圧縮方法
パッカー車のゴミ圧縮方法はプレス式・巻き込み式・ロータリー式の3つの圧縮方法があります。
- ・プレス式
- プレス式は2段階方式でゴミを圧縮して回収する構造です。
強力に圧縮するため、家庭ゴミに含まれる水分や危険物が混入していた場合もいっしょに押し潰されます。
逆に圧縮が強いことが原因でパッカー車の火災が起きた事例も報告されているので、取り扱いには注意が必要です。
圧縮力が最も強いという特徴があり、一般家庭のゴミだけではなく冷蔵庫などの大型家電も粉砕して圧縮できるほどで、家庭ゴミや粗大ゴミはもちろん企業などから出る事業ゴミ、鉄材などの硬い廃棄物を圧縮するのに適しています。
- ・巻き込み式
- ゴミを回転板で巻き込むように回収するタイプです。
巻き込み式の場合は圧縮というよりも、ゴミを重ねてまとめていくといった回収方法です。プレス式よりも圧縮力が弱いので、収集できるゴミの量は少なくなります。
細かい木くずや繊維くずなどの収集に最適なため、粗大ゴミや事業ゴミ、鉄材などの収集ではなく造園会社で活用されることが多いようです。
- ・ロータリー式
- 大きな円柱ドラムがゆっくりと回転し、ゴミを荷箱に送っていくのがロータリー式です。
他の2つのタイプより圧縮力が弱いので、ゴミの積載量は最も少ないです。
そのためか現在ではロータリー式のパッカー車はほとんど見かけなくなりました。
ロータリー式の利点としては、ドラムが常に回転しているのでゴミを投入し続けられることや、汚水が飛び散りにくい点などがあります。
シンプルな構造をしていて手入れがしやすい点もメリットとしてあげられます。
パッカー車の3つの排出形式
パッカー車の排出方法は押し出し式・ダンプ式・ロータリー式の3つの種類があります。
- ・押し出し式
- 排出板を使って、奥からゴミを外へと押し出すタイプ。
排出力が高いのが特徴で、ボックスにゴミを残すことなく排出できる万能型です。
- ・ダンプ式
- ダンプトラックのようにボックスをダンプアップさせて、一気に排出するタイプです。
ボックスの中に細かいゴミが残りやすく、また重いゴミの収集には適していません。
- ・ロータリー式
- 圧縮機能のロータリー式を逆回転させる排出方法になります。
収集のときの円柱ドラムを逆回転させることで回収した廃棄物の排出を行います。
パッカー車の運転に必要な免許
実はパッカー車の運転に特別な免許は必要ありません。
パッカー車の重量に合わせた免許を取得しておけば運転できます。
ただ、一つ懸念としてあるのが、パッカー車はマニュアル車が多いということです。
最近ではオートマのパッカー車も出てきましたが、それでも依然としてマニュアル車のパッカー車の方が多いのが現状です。
仕事でパッカー車の運転をすることが多いのであれば、マニュアルの中型免許まで取得していると安心でしょう。
まとめ
今回はゴミ収集車で有名なパッカー車について解説しました。
パッカー車は特別な免許などがなくても運転することが可能です。
(もちろんパッカー車の重量に合わせた運転免許が必要です。)
ただ、できるだけマニュアル車の免許を取得しておいた方がいいでしょう。
特別な免許が必要ではないものの、経験が優遇されるのは間違いありません。
パッカー車の業務を経験するのも、一つのキャリアアップかもしれませんね。