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ドライバーとして働く方の職業病とその対策

ドライバーとして働く方の職業病とその対策

仕事の大半が車の運転となる運送・配送ドライバーの方ならではの職業病があることをご存じですか?
今回はドライバーの皆さんが抱えやすい職業病と、職業病にならないための対策や、健康管理をする重要性について紹介します。

ドライバーの仕事内容は?

配送、運送などのドライバーのお仕事は、運転するトラックの大きさ(大型・中型・小型)によって運搬する荷物やルートが違うものの、大まかな部分は共通しています。

仕事内容を分けると
・荷物の積み込み
・荷物の配送(運転)
・荷物の積み下ろし
になります。

一連の流れとしては
1:出社
2:アルコールチェックや出発前の車両点検
3:配送する荷物の積み込み(場合によっては手積み)
4:運転にて配送
5:目的地に到着、荷物の積み下ろし(場合によっては手下ろし)
6:帰社、日報などの記載
となります。

ドライバー職に多い職業病

ドライバーは、先述の仕事内容から見ても分かるように
・長時間運転する
・場合によっては重い荷物の積み込みや積み下ろしを繰り返す
という仕事内容から、様々な職業病になりやすくあります。
また、他の職業に比べて日勤や夜勤などのシフトもある場合が多く、生活リズムが不規則になりやすいという点があります。

腰痛

ドライバー職の方の代表的な職業病として挙げられるのは腰痛です。
運転により長時間座った態勢を維持しなければならないのはもちろんのこと、荷物の積み下ろしで荷物を持つ場合もあるなど、どちらも腰に負担がかかり、腰痛になりやすいのが原因です。
(もちろんデスクワークのお仕事等長時間座っているお仕事でも腰痛になりえますが、ドライバーの場合それにプラスして重たい荷物を持つことがあるため、腰痛になりやすい傾向にあります。)

ヘルニア

腰痛をそのまま放置していたりしてそれが悪化すると、椎間板ヘルニアなど重症化してしまう場合があります。
椎間板ヘルニアは、椎骨と呼ばれる骨が何らかの理由で変形することで起きる病気で、椎骨の間にあるクッションの役割を担っている椎間板がはみ出して神経を圧迫してしまうものです。
ヘルニアになってしまうと場合によっては手足がしびれることもあり、最悪の場合には立てなくなるなど、仕事に支障をきたすだけでなく日常生活にも支障をきたしてしまいます。

虫歯

意外ですが、実はドライバーの方に多いのが虫歯です。
オフィスワークなどとは違い、ドライバーの方は車内で食事を済ませることが多いため歯磨きをする場所などがなく、結果的に虫歯になるという方が実は多いのです。

睡眠障害

ドライバーの方の中でも長時間運転をしている長距離ドライバーの方に多いのが睡眠障害です。
長距離の移動の場合、夜間の移動が増えてしまうことで睡眠不足になりやすく、また、日中に睡眠をとらなければならないことがあると睡眠の質が下がってしまうという傾向があります。
そういった状況から、ホルモンバランスが崩れ、睡眠障害になってしまう方がいます。

エコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群は飛行機に乗っている人がなりやすい病気として知られていますが、実はドライバーの方もなりやすいと言われています。
エコノミークラス症候群は正式には肺塞栓症のことで、別名、足の静脈血栓塞栓といいます。
長時間体を動かさずに同じ姿勢をとり続けることで血流が悪くなる病気です。
特に膝裏など下半身の血行が悪くなりやすく、足のむくみなどの症状が起きます。症状が進行するとふくらはぎに激しい痛みやしびれが出てくるようになり、重症化すると胸の痛みや息苦しさが起き、最悪の場合死亡してしまう危険性もあります。
ドライバーも同じように、長時間運転の姿勢を取り続けるため、エコノミークラス症候群になりやすいと言われているのです。

ドライバー職の職業病にならないための予防・対策

ドライバーがなりやすい職業病は仕事に支障をきたすだけでなく、自分自身はもちろん、運転という仕事柄から他人の命を危険にさらす可能性もあります。
だからこそ予防策を意識して行動することが大切です。

運転する時の姿勢を見直す

腰痛やヘルニアなどは長時間座る姿勢でいることが影響して起きやすいため、まず運転する際の姿勢を見直してみましょう。
姿勢が悪い状態を長時間維持してしまうと、腰やお尻に負荷がかかりやすく上記に上げたような職業病を起こしやすくなります。
シートに深く座り、背筋を伸ばした姿勢で運転するようにしましょう。
運転姿勢を矯正できるアイテムを利用するのもおすすめです。

仕事の前後にしっかりストレッチをする

仕事前後や休憩時間など体を動かせる時間にストレッチを行うことで、こわばった筋肉をほぐす効果が期待でき、血行不良が原因で起きる体の不調や腰痛の予防改善につながります。
急に体を動かすと逆に筋肉や神経を痛めてしまいかねないため、背伸びや肩回し、屈伸などすぐにできる簡単なものがおすすめです。

食事のバランスを考える

生活習慣の改善も、ドライバーの職業病の予防には大切です。
特に、睡眠や食事を見直すことで睡眠障害や生活習慣病を予防しやすくなるため、まずはこの2つのポイントを重点的に見直しましょう。
長距離のドライバーの方などは、車内に遮光カーテンを取り入れる、枕や毛布を用意するなど、睡眠の質を高められるように工夫してみてください。
食事に関しては塩分の過剰摂取を控えることと、栄養バランスに気を付けた食事を心掛けるようにしましょう。

まとめ

トラックドライバーの健康状態は安全に直結します。
健康状態が良ければ周囲に注意や意識を向けやすく、安全運転の第一歩になります。
逆に健康状態が悪いと、注意力や判断力が低下して大事故を起こしやすくなります。
車の運転は一瞬の判断ミスが大きな事故につながりかねません。
特にトラックは通常の車両よりも大きいため、その被害は甚大なものになりえます。
あなたの身体のためはもちろん、運んでいる荷物や周りのドライバーのためにもしっかり予防や対策を実施してきましょう。