ドライバー派遣を始めとした配送業務や配送助手など、物流業界で働く方にとって交通違反はある意味死活問題ですよね?
ではどのような違反が多いのでしょうか?
国土交通省が発表した令和5年度版交通安全白書から交通違反の状況を見てみましょう。
どんな交通違反が多いの?令和4年度道路交通法違反の状況
2024.1.9
交通安全白書とは
交通安全白書とは、交通安全対策基本法(昭和45年法律第110号)第13条の規定に基づき、毎年国会に提出することとされている年次報告書です。
年次報告書なので、令和5年版は令和4年度の数値がまとまったものとなります。
昭和46年から報告されていますので令和5年度版で53回目の報告となります。
交通指導取り締まりの状況
令和4年度中の道路交通法違反の取り締まり件数は505万3,271件となっています。
直近10年の動向をまとめてみると
直近10年間の交通違反をまとめてみると顕著に件数が減っているのは携帯電話使用等の違反です。(10年で90万件=約79%の減少)となっています。
逆に一時停止違反は10年間で一番増加しています。
携帯電話使用等の違反減少の要因は?
10年間で約90万件の減少となった携帯電話使用等の違反ですが、なぜこんなにも減少したのでしょうか?
減少した年を見るとその要因が分かります。
令和2年に一気に減少していますよね?(716,000件→309,000件)
理由として「ながらスマホ」に対する罰則が強化されたことが大きいと推測されます。
令和元年11月30日までと12月1日からにおいての罰則変更は、以下のように強化されています。
交通の危険(ながらスマホによる交通事故)
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
罰則 | 3ヶ月以下の懲役 又は 5万円以下の罰金 | 1年以下の懲役 又は 30万円以下の罰金 |
反則金 | 大型12,000円 中型9,000円 原付6,000円 | 適用なし |
基礎点数 | 2点 | 6点 |
保持(ながらスマホ)
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
罰則 | 5万円以下の罰金 | 6ヶ月以下の懲役 又は 10万円以下の罰金 |
反則金 | 大型7,000円 中型6,000円 原付5,000円 | 大型25,000円 普通18,000円 原付12,000円 |
基礎点数 | 1点 | 3点 |
法改正の前後で全く異なる罰則であることがよくお分かりのことと思います。
特に大きな変更点は、スマホ中の事故は一発免停になったということです。
また、ながらスマホの違反点数が改正前の3倍・反則金も3倍以上となった点、スマホ中の交通事故での反則金がなくなり懲役又は罰金のみとなったことも大きな変更点です。
スマホ中の交通事故において、反則金の適用がなくなったということは、いきなり懲役又は罰金という前科対象となる事件に変更されたということです。
ところで、反則金と罰金の違いはご存知でしょうか。簡単に言えば、青切符が反則金、赤切符が罰金となります。
ただし、青切符でも反則金を支払わず、裁判で罰金が確定すれば前科になりますので注意しましょう。
今回の法改正では、スマホ中の交通事故は、反則金を支払えば前科とならない告知制度が適用されず赤切符による罰金の対象に変更されました。
だからこそ、ドライバーの皆さんも注意し、そのため違反が少なくなったのです。
まとめ
今回は交通安全白書から読み解くドライバーの皆さんにとって注意すべき交通違反を取り上げました。
ドライバーとして働く皆さんだけでなく助手席で配送助手として働く皆さんも、安全運転・安全に荷物を届けるのはもちろんのこと、交通違反にも注意するようにしましょう。